風景構成法をつかった自分との対話

こんにちは!アートセラピストの コグレ マミ です。自分の才能やスキなことを発掘して育んでいけるように、アートセラピーでサポートしています♪

 

景構成法とは

風景構成法は精神科医の中井久夫先生による発案で、日本から発信された芸術療法です。発明よりも、元々あるものを創意工夫して利便性を高めることを得意とする日本人ですが、50年も前にこの独創的な芸術療法を日本人が発案していたなんて、なんとも誇らしい限りです。

 

風景構成法は自分のココロを決められたモチーフによって投影させる技法で、一体これで何が分かるのかと言うと、今の自分自身の課題や家族との関係。また、本当はどう感じているのか・・・等々自分の無意識レベルの感情や過去の出来事。そして大切にしているものや未来への行動なども読み取れます。そして何を根拠に読み解いていくのかと言うと、ユング心理学の考えを元にモチーフが意味するもの、象徴とするものを推察していくのですが、わたしは描き手の表情を確認しながら丁寧にヒアリングすることが同じくらい重要と考えます。ユングが象徴とするものが絶対ではないですし、何よりも自分自身のココロを第三者が決めつけるという事はできません。だからこそ丁寧に共感・受容をしながら話を聴き、描き手(クライエント)とラポールを築くことがとても重要になります。これこそがアートセラピストの腕の見せ所かもしれません。

※ラポール:お互いに信頼し合い、安心して感情の行き来が自由にできる関係が成立している状態

 

How to 風景構成法

では実際にどんな方法で描いていくかと言いますと、まず画用紙の端ぎりぎりに黒のサインペンで枠どりをします。そして順番にモチーフを告げるので、唱えるそばから一つひとつ枠の中に描いていき、全体でひとつの風景になるように仕上げます。

描くモチーフとその順番は・・・
川 → 山 → 田 → 道 → 家 → 木 → 人 → 花 → 動物 → 石 → 足らないと思うもの/付け足したいもの そして全部描き終えてから、色鉛筆で色を塗ります。これで完成!ではさっそく、わたしの絵をみていきましょう!

 

たし絵の状況/説明

【全体像】
木、田んぼ、花が整然と並んでいて、全体的にすっきりとしたイメージだがその反面、余白が目立つ。色使いが寒色系で占められているのと、余白とスッキリさがあいまって寂しい感じもする。絵の右側と半分から上の部分にモチーフが多く描かれており、どれも丁寧に色が塗られているが、なかでも田んぼと家の屋根、窓が力強く塗られている。

 

 

【川】

川の水は青く澄んでおり、蛇行しながらゆっくりと流れている。

 

【山】

丸い山の後ろに少し尖った山が連なっていて、全体的に丸い山だが高さはある。

 

【田】

田んぼは青々として、稲は順調に育っている。いくつもの面に田んぼが分かれており、その間には水路が流れている。

 

【道】

山の麓から一直線に道が伸びている。人が歩いているとしたら、左から右に歩いていくイメージ。

 

【家】

青い屋根とピンクの壁の家。家には窓と開かれたドアが描かれている。

 

【木】

道沿いに木が並んでいる。一本だけ針葉樹でその他は広葉樹。

 

【人】
家の中から女の人が出てきている。物音がしたので外へ出てきたが、誰もいなかったので家の中の人を呼んでいる。

 

【花】
家のまわりに花が6本咲いている。(可愛らしい花)

 

【動物】

母ネコの後に子猫が3匹ついている。最初、家のまわりで遊んでいたが、子猫を引き連れて川上に向かって移動している。

 

【石】

山の中腹に石(落石)がある。落石注意。

 

【足らないと思うもの/付け足したいもの】

空に気球が飛んでいる。画面奥から徐々に表れた。

 

まず最初に全体から受ける絵の印象を感じ取り、それからひとつひとつのモチーフを順番に確認していきます。さてさて、この絵には一体どんなメッセージが隠されているんでしょうか?ただ絵を眺めていてもメッセージは浮かび上がってきませんので、これから自分と対話する作業に入ります。自分との対話を行い、初めて様々なメッセージを受け取ることができるんです。クライエントが絵を描いたのならば、ラポールをしっかりと築いたうえでどんな様子の絵なのか、丁寧にヒアリングをしていきます。絵の描いてある場所や筆圧、色、モチーフなどから仮説を立てて、ヒアリングの内容と仮説を照らし合わせて、検証する作業に入ります。

 

とつひとつの分

水は感情を表している。川が蛇行してゆっくりと流れていることから、まわりに配慮をしつつ自分の感情を爆発させないようコントロールしている。また、川の水は青く澄んでいることから、描き手の純粋さがうかがえる。

山は要求水準を表しているので、高い目標を掲げていることが分かる。山の形は比較的丸く優しいイメージなので、自分の中で目標はゆっくりと育むタイプ。しかし丸い山の裏には傾斜のきつい山が控えていることから、~すべき、~しなくてはという思いやプライドも垣間見える。

田は労働や仕事を表す。描き手は田んぼを几帳面に区切って描いていることから、仕事には丁寧に向き合っている反面、自分で仕事に区切りをつけているようにも感じる。例えば自分はこの仕事はここまでで、あとは他の人にバトンタッチ・・・みたいな。また、田んぼに水路が描かれているので、職場や労働上の悩みを抱えているのではないか。

道は人生の道そのものの表れ。一本道を描いているということは、現状迷いなくやることが決まっている。人が歩いているとしたら、左から右方向に歩いているイメージなので、未来に目を向けて突き進んでいる様子がうかがえる。

物理的な家と内的心象風景を表す2つの側面を持っているのが家。そしてその家は、愛情・スキンシップの領域に描かれており、描き手にとって家とは愛情を感じたり安らぎを求める場所、象徴そのものであるようだ。ドアは開いており他者とのコミュニケーションはとれている一方、人が家の傍(半分なか)にいることから、家に何かしら要求があるかも知れない。

木は生命エネルギーを表している。一本道に沿って木が並んでいることから、人との関りを大事にしながら未来へのエネルギーが感じられる。また針葉樹が1本あることで、じっくりと育みつつ強い上昇志向も感じとれる。

人は自分自身だったりパートナーだったり、あるいは対立の概念を表すこともある。この女の人はオレンジ色の服を着ているので、自分に注目して欲しいと思っている。花は愛や優しさ、結婚を象徴している。家のまわりに花が6輪咲いているので、もしかしたら結婚願望があるのかも知れない。ネコは受け身や甘えを象徴しており、その対象が家族であるということがうかがえる。石は障害そのもの。目標の途中に石(落石)があることから、目標には障害がつきものであるという思い込みのようなものが感じられる。気球が空に浮いていることから、現状を達観している様子が見てとれる。

 

体を通して自分へのメッセージ

やりたいことは決まっていて、それを遮るものは何もない。田んぼに沿って道がまっすぐに伸びているということは、今まで仕事を中心に歩み続け、そこに目標や成長を見出しているんだね。そのスタンスは今後も変わることはないみたい。大切に思っている仕事だからこそ、悩みは職場に現れるのね。自分で枠を作りすぎず、取っ払ってしまったら新たな成長があるのかも知れないよ。

絵のほぼ中心にネコの家族がいるってことは、今、自分の家族に焦点が当たっているみたい。ネコの家族は絵の左側に向かって進んでいるから、精神的に家族に甘え(支え)を必要としているのかな。そして家には自分以外にも人がいるようだけど、描かれていないのは甘えることに直視できないのかな?

全体的に無駄がなく、さっぱりとした風景だからあまり人の気配を感じられないね、と気球に乗った人が言っている。それを聞いたわたしは、「どうしたい?」と問う。
人ともっと、交流したい。そこにわたしの成長があるはず・・・・・

「家族と直視できないのは、何かあった?」
これからのことで、言えてないことがあった。きちんと伝えてみようと思う・・・・・

 

 

これが、今回わたしが自分から受け取ったメッセージです。風景構成法で絵を描いて、ただ描いただけでは全くのチンプンカンプンの絵でしたが、自分と対話することで、絵ひとつひとつに意味があぶりだされ、気持ちの交通整理ができました。これこそがアートセラピーを行う良さだとわたしは思うのです。答えは常に自分の中にあって、自分が成長すると共に答えも成熟し、色々なものが理解できるようになっていく・・・人から与えられるのではなく、自分の中から掘り起こすことに意味と成長がある。

そしてアートセラピーは風景構成法だけではありません。たくさん、いっぱい無心に絵を描くだけでも十分ココロが満たされたり癒されたりするのです。やっぱりこれがスキなんだと再確認することもあるし、この絵にでてきたように、もしかしたら結婚願望があるのかも知れないと、自分でもびっくりするようなことが現れてしまったり・・・気づいていない自分自身の一面を知ることができるアートセラピーは、ココロの成長にとても相性が良いのです♪ついついこのブログにたどり着いてしまったあなたには、ぜひともアートセラピーを実際に味わって頂きたい!この機会にぜひ!!

お申し込みは、お問い合わせボタンよりお願いします。

 

最後まで読んでくださり、ありがとうございました!
コグレ マミ

 

風景構成法をつかった自分との対話” に対して1件のコメントがあります。

この投稿はコメントできません。